ここに挙げたのは、「シフトJISコード」という、主にWindowsやMacintoshで用いられる漢字コードのうち、perlで使用する際に注意しなければならない文字です。
コードを見ていただければわかるとおり、これらの文字の下位バイトには、C言語やperlなどでエスケープシーケンスとして用いられる「\」（ASCIIコード5c）と同じコードが用いられています。そのため、シフトJISコードで書かれたperlスクリプトをUNIXサーバで実行させた時、「表示」（95 5c 8e a6）という文字列が「侮ヲ」（95 8e a6：「ヲ」は半角文字の「ヲ」）というふうに文字化けしたりします。
- perlは日本語を解釈できないため、「表」の下位バイトをバックスラッシュ（\）と解釈する。
- 次の「示」の上位バイトと組み合わせてエスケープシーケンス「5c 8e」と解釈する。
- しかし、「5c 8e」というエスケープシーケンスは存在しないため、バックスラッシュを無視して「8e」と解釈する。
- 「95 8e a6」というコードがブラウザに送られる。
- ブラウザは日本語を解釈できるため、「95 8e」というコードから「侮」を、「a6」というコードから半角カナの「ヲ」を表示する。
この現象はあくまでも「シフトJISコードで書かれたperlスクリプトをUNIXサーバで実行させた時」に発生する現象です。perlスクリプトがEUCコードで書かれていれば、何の問題もありません。また、JPerlのような日本語を扱えるperlを用いても、同様のはずです（手元にJPerlの環境がないため、未確認）。
（2000.12.11 追記）UNIX-CやOracleのデータベースでも発生する可能性があります。
これは、perlスクリプトをEUCコードで記述するか、「表\示」のように、0x5cのコードの次にもう一つバックスラッシュ（\）を挿入することで解決できます（perlでは「\\」はバックスラッシュ自身を表すため）。
（2000.12.11 追記）C言語や他のスクリプトも同様です。ただし、perlやcshのようなスクリプトの場合、シングルコーテーション（'）でくくると「\」をエスケープシーケンスと認識しないため、問題が解決することがあります。
- ―（81 5C） : Horizontal Bar
- ソ（83 5C） : Katakana Letter So
- Ы（84 5C） : Cyrillic Capital Letter Yeru
- 噂（89 5C） : ソン、うわさ
- 浬（8A 5C） : リ、かいり、ノット
- 欺（8B 5C） : ギ、キ、あざむ・く
- 圭（8C 5C） : ケイ、たま
- 構（8D 5C） : コウ、かま・える、かま・え、かま・う、かま・い
- 蚕（8E 5C） : サン、テン、かいこ
- 十（8F 5C） : ジュウ、ジッ、シュウ、とお、と
- 申（90 5C） : シン、もう・す、さる
- 曾（91 5C） : ソ、ソウ、かつ・て、ひい
- 箪（92 5C） : タン
- 貼（93 5C） : テン、チョウ、は・る
- 能（94 5C） : ノウ、ドウ、あた・う、よ・く、よ・くする
- 表（95 5C） : ヒョウ、おもて、あらわ・す、あらわ・れる
- 暴（96 5C） : ボウ、バク、あば・く、あば・れる、さら・す
- 予（97 5C） : ヨ、あらかじ・め
- 禄（98 5C） : ロク
- 兔（99 5C） : ト、うさぎ
- 喀（9A 5C） : カク、は・く
- 媾（9B 5C） : コウ
- 彌（9C 5C） : ビ、ミ、や、いよいよ、いや
- 拿（9D 5C） : ダ、ナ、ひ・く、つか・む
- 杤（9E 5C） : とち
- 歃（9F 5C） : ソウ、すす・る
- 濬（E0 5C） : シュン
- 畚（E1 5C） : ホン、もっこ、ふご
- 秉（E2 5C） : ヘイ、と・る
- 綵（E3 5C） : サイ、あや
- 臀（E4 5C） : デン、しり
- 藹（E5 5C） : アイ
- 觸（E6 5C） : ショク、ソク、ふ・れる、ふ・れ、さわ・る
- 軆（E7 5C） : タイ、テイ、からだ
- 鐔（E8 5C） : シン、タン、つば
- 饅（E9 5C） : マン、バン
- 鷭（EA 5C） : ハン、バン